「雛人形を出さないとどうなる?出すのが少し面倒」
「出さないと良くないことが起こるって本当?」
こんな疑問を解消します。
1)雛人形を出さないとどうなる?言い伝え
2)雛人形を飾る日としまう日の目安
3)何歳まで飾るものなの?
4)出さない場合の現実的なデメリット
雛人形にまつわる話で有名なのは「早くしまわないと婚期が遅れる」ですよね。
では逆にまったく出さない場合はどうなのでしょうか。
結論から申し上げますと、「子どもが不幸になる」といった言い伝えがあるようです。
またカビや虫喰いという現実的な問題もあります。
この記事では雛人形の由来からその意義についてご紹介するとともに、適切な管理方法についても解説していきます。
1)雛人形を出さないとどうなる?言い伝え
雛人形を出さないと結婚できない?
雛人形には魂が宿っており、しまったままだと悲しんでしまう、あるいは不幸をもたらす……という言い伝えがあります。
もちろんこれは迷信だと言われていますが、これは雛人形を飾る意義や役割ともリンクしているため説得力が強く感じられてしまうのです。
ところで、みなさんは雛人形の役割を正確に理解しているでしょうか?
確認も兼ねて、次の項目で見ていきましょう。
雛人形の意味・役割
雛人形は、子どもを災厄から守るためのものです。
「人形」のルーツ自体は唐の時代にまで遡ることができ、災いをそれに移すためのものとして使用されました。
そして平安時代になると赤ちゃんを対象にした「天児(あまがつ)」と「這子(ほうこ)」という人形を枕元に置く風習が誕生したのです。
そして平安時代には、上巳の節句に紙や草木で作った「ひとがた」を川に流す「巳の日の祓」という儀式が生まれます。
これが転じて「流し雛」という風習になり、さらに時代が下ると雛人形が豪華になっていったため、流すのではなく飾るものになったそうです。
形式が変わっても「子どもが無事に成長し、幸せになりますように」という根本的な思いは変わりません。
雛人形には子どもに対する愛情が込められているのですね。
2)雛人形を飾る日としまう日の目安
飾る日は節分の翌日以降から2月中旬、しまう日は3月4日以降の晴れて乾燥した日が望ましいとされています。
2月中旬は厳密に言うと「雨水」までであり、これは二十四節気の1つです。
雪解けが始まる頃、草木が芽吹き始める頃であり、この時期に雛人形を飾ると、
『良縁に恵まれる』とも言われています。
またしまう日に関しては「婚期が遅れる」という迷信が半ば常識のようになっているため、焦ってしまおうとする方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には早くしまうことよりも天気や湿度を気にした方が良いです。
湿度が高い時に型付け作業をしてしまうと、湿気を含ませたまま箱にしまうことになるため、カビ等の原因になってしまいます。
そのため、空気がカラっとしていてよく晴れた日にしまうようにしてください。
3)何歳まで飾るものなの?
出す日もしまう日も意外と緩いんだな……と思ったかもしれませんが、飾る年齢も特に期限はありません。
子どもの幸せを願うためのものですから、成人しても結婚しても何も問題はないのです。
ちなみに結婚に関しては「嫁の雛」という風習があり、お嫁さんが嫁ぎ先に実家で飾っていた雛人形を持っていっていたそうです。
つまり新たな家庭で飾り続けられ、脈々と受け継がれていったのでしょうね。
現在は嫁入り道具で持っていかずに実家に置いたままの人も多いかと思いますが(筆者もそうです)、子どもが巣立ったから……としまい込む必要はありません。
季節感も出ますし、飾りたいのであればどんどん飾っていきましょう!
4)出さない場合の現実的なデメリット
カビや虫喰いに注意
序盤では雛人形を出さないデメリットとして迷信に関するものをお伝えしました。
しかし現実的にもデメリットが存在します。
それは「カビ」や「虫喰い」です。
先程、しまうタイミングは湿度を気にするようにと申し上げましたが、しまったままだとなおさら湿度が溜まりがちになります。
動物性の原料も原因の1つ
雛人形の素材は商品によって様々ですが、動物性の原料が多分に使用されているものもあります。
特に、伝統的な製法で作られている雛人形は以下のような作りになっているものも存在します。
- 髪:スガ(正絹製の糸)
- 顔:表面に胡粉(牡蠣の殻とニカワでできた粉)
- 衣装:多くが正絹製
これらは伝統的な製法で作られていることを示していますが、その一方で取り扱いをていねいにする必要があります。
管理方法
カビや虫喰いを防ぐためには定期的に出すのが望ましいです。
そのため、雛祭りの日には飾った方が良さそうですね。
また理想を言えば梅雨明け頃、湿気を逃すために風に当てるのがおすすめです。
一方、出すのが面倒だからと防虫剤を大量に投入するのは避けましょう。
2種類以上を併用すると化学反応によって変色してしまう恐れもあります。
容量用法を守り、また直接人形に当たらないよう気をつけて入れるようにしてください。
まとめ
・節分以降~2月中旬までに出すのが吉
・飾る年齢期限はなし!
3月3日だから雛人形を出す……と半ば自動的に考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、由来を知ると面倒な気持ちが少し和らぐのではないでしょうか。
子どもの幸せはいつになっても願いたいもの。
もしも既に家を出ている、というご家庭でも昔を思い出しながら飾ってみても良いのではないでしょうか。
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