「衣紋掛けが使われなくなった理由が知りたい」
こんな疑問を解消します。
1.衣紋掛けが使われなくなった理由や呼び方が変わった理由
2.衣紋掛けとハンガーの違いは?
3.衣紋掛けは死語?何歳くらいから通じないのか?
結論から言うと、衣紋掛けが使われなくなったのは、日本人が着物を着なくなり洋服を着るようになったからです。
昔は着物は日常着でしたが、今では成人式や結婚式などの特別な日の晴れ着として着る方がほとんどです。
そして、着物をかける道具である衣紋掛けという呼び方も次第にハンガーという呼び方に変わっていきました。
最後まで読めば、使われなくなった理由や呼び方が変わった理由、ハンガーとの違いや、死語なのかなど、衣紋掛けについて詳しく知ることができるでしょう。
それではご覧ください。
1.衣紋掛けが使われなくなった理由!なぜ呼び方が変わった?
衣紋掛けが使われなくなった理由は、日本人が着物を着る代わりに洋服を着るようになったからです。
戦前はほとんどの人が着物を日常着として着ていましたが、昭和30年代頃から洋服を着る人が多くなってきました。
とはいえ、昭和30年代から40年代頃は、年配の方はまだまだ着物の人のほうが多かった時代です。
そのため着物をかけるために多くの家で衣紋掛けが使われていました。
しかし、時代と共に年配の人でも着物を着る人が少なくなり、洋服を着るのが当たり前になってきました。
わたしの実家の祖母は大正生まれでしたが、わたしが物心ついたころには普段から洋服を着ていました。
着物を着ているのを見たのは、お葬式の喪服くらいだったかもしれません。
一応祖母の部屋にはあったのかもしれませんが、洋服をかけるのには普通のハンガーを使っていたと思います。
でも、祖母はハンガーのことも「衣紋掛け」と呼んでいました。
ですので、わたしは衣紋掛けということばは知っていて、洋服をかけるもの、つまりハンガーと同じものと思っていました。
もともと着物をかける道具という意味なので、厳密にはハンガーとは違うのですが、着るものをかけるという用途は同じです。
日本人が洋服を着始めた当初は、洋服もハンガーも高級品でした。
そのため、衣紋掛けに洋服をかけている家庭が多かったのです。
それが、洋服を着る人が一気に増えた昭和30年代頃からプラスチック製の安いハンガーが出回るようになり、一般の家庭でもハンガーが使われるようになりました。
こういったことから、衣紋掛けという呼び方は徐々に少なくなって、ハンガーという呼び方に変わっていきました。
2.衣紋掛けとハンガーの違いは何?
ハンガーとの違いは、着物に使うのか洋服に使うのかの違いです。
衣紋掛けは着物をかける道具なので、着物の袖まで通せるように幅1メートル~1.5メートルほどあります。
そして、袖をまっすぐに通せるように長い棒が使われています。
対してハンガーは洋服の肩にかけて使うので、30センチ~50センチの幅になっています。
そして、肩のラインに沿ってなだらかな曲線をえがいています。
こうしてみるとかなり形の違いがありますね。
わたしは、単に呼び方が違うだけで、ハンガーと同じものだと思っていました。
着るものをかけるという用途は同じですが、使うものが着物か洋服かという違いがあります。
そして、形状にも大きな違いがあります。
3.衣紋掛けは死語?何歳くらいから通じないのか
衣紋掛けという単語は、死語になりつつあります。
着物を着ることが日常ではほとんどなくなってしまい、使う機会はほぼありません。
また、着物を着ていた世代の人たちが少なくなり、耳にすることもなくなってきました。
ある調査では、大学生の約8割が知らないという結果になったそうです。
大学生でも約8割が知らないなんてとても驚きました。
わたしは40代ですが、わたしの世代ではおじいちゃんおばあちゃんと同居していた家庭が多いので知っている人が多かったです。
でも、考えてみれば友達との会話で衣紋掛けという単語は出てきた覚えがありません。
わたしの年代でも知らない人が結構いたのかもしれません。
このことから、30代くらいから通じない人が多くなり、10代、20代くらいの人にはほとんど通じないと考えられます。
4.まとめ
今回は、衣紋掛けが使われなくなった理由や、呼び方が変わった理由などを解説しました。
衣紋掛けは本来、着物を掛けるために使う道具のことを指していました。
しかし、着物を着る人が少なくなるにつれ、ほとんど使われることがなくなってきました。
わたしの実家でも、祖母はそのことばは使っていましたが、もの自体は見たことはありませんでした。
高齢の方のなかには、今でも使う人もいますが、ほとんどの場合ハンガーのことを指しています。
昔からのことばが死語になりつつあるのはさみしく感じますが、時代の流れで自然なことなのかもしれませんね。
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